目を見張るほど長い尾をヒラヒラと靡かせて優雅に飛ぶ、サンコウチョウ。嘴とアイリングの鮮やかなブルーも印象的なこの鳥は、鬱蒼とした暗い林の中に住んでいます。
頭部から胸にかけては黒色で、紫がかった光沢があります。腹部は白く背面は赤紫色で、成鳥雄の中央の尾羽2枚は繁殖期になると体長の3倍ほどまで長くなります。
サンコウチョウは夏鳥として本州以南に飛来して来ます。つがいで縄張りを持ち、杉や檜の樹皮を材料にしてコップ型の巣を作って繁殖し、秋になるとまた東南アジアへ帰って行きます。
餌は主に昆虫食で、空中でホバリングをし、飛んでいる蠅や蜂などをフライングキャッチで捕えます。
囀りは「フィチィフィチィ ホイホイホイ」ですが、これが「月(ツキ)日(ヒ)星(ホシ)ホイホイホイ」と聞きなされ、その3つの光を連想して「三光鳥」と呼ばれるようになったようです。昔の人はなかなかロマンチックな命名をしたものですね。
サンコウチョウは静岡県の県鳥でもあります。同県のサッカーJリーグ「ジュビロ磐田」のクラブマスコットとしても使われており、エンブレムにも月・日・星と共にそのユニークな姿が描かれています。
サンコウチョウの特性
長い尾が印象的な雄
写真提供:(公財)日本野鳥の会 松浦 洋二 様