コバルト色の背とオレンジ色の腹、そして黒くて長い嘴。色のコントラストが鮮やかなカワセミは、その美しさから「空を飛ぶ宝石」と言われています。漢字では川蝉、魚狗など数種類の表記がありますが、宝石の「翡翠(ひすい)」という字を書いて「カワセミ」と読まれることはあまり知られていないのではないでしょうか。
全長17㎝という小さな身体ですが、カワセミは魚を獲るのがとても上手です。水面上でホバリング(滞空飛行)しながら狙いを定め、ここぞとばかりに水中に飛び込んで見事に魚をキャッチ。そして捕えた大きな獲物を、岩や枝などに叩きつけて骨を砕いてからパクリと丸呑みしてしまいます。可愛らしい外見とは裏腹になかなかのハンターなのです。
雄のカワセミは繁殖期になるとますます獲物をとることに熱心になります。雌と番になるために獲物をプレゼントする「求愛給餌」という行動をするためです。そして番となった後は、水辺の土の崖などに嘴を使って垂直な横穴を掘って巣にします。水中に勢いよく飛び込んでも水しぶきが少ないカワセミですが、研究の結果その鋭い嘴の形が水の抵抗を減らす為だと解明され、それが500系新幹線の開発のヒントにもなったようです。そういえば、新幹線の先端部分はカワセミに似ていますね。
カワセミの特性
鮮やかな青い色と長い嘴が特徴
写真提供:(財)日本野鳥の会 関根 常貴 様