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野鳥の里「春夏秋冬」

第68話 驚異の托卵術「ツツドリ」

ツツドリはカッコウの仲間で、東南アジアから日本に飛来し北海道から本州、四国で繁殖する夏鳥です。漢字では「筒鳥」と書きます。「ポポッポポッ」というその鳴き声が、竹筒の端を手のひらで叩いたような音であることから、そう名付けられたそうです。


暗灰色で腹部に黒い横縞のあるその姿はカッコウに非常に良く似ていて見分けにくいのですが、それぞれ鳴き声に特徴がありますので、声さえ聞ければ間違えることはまずないでしょう。


ツツドリは他のカッコウ類同様に托卵性を持ち、本州では主にセンダイムシクイの巣に卵を産み付けます。この時の卵は白色または淡色地に斑点のあるものです。しかし驚いたことに、北海道でウグイスの巣に托卵する際はウグイスの卵にそっくりなチョコレート色の卵を産むことが、近年の研究で解ってきました。ツツドリは托卵する相手に合わせて、卵の色を変えてしまうのです。

托卵されたことを見破る鳥もいますので、共に種を守るために必死の攻防を繰り広げています。


春や秋の渡りの季節にはツツドリが都市部の公園等にも姿を現します。 大好物の毛虫を求めて、桜の木の上で羽を休めているかもしれませんね。



ツツドリの特性

分 類
カッコウ目・カッコウ科
全 長
約33㎝
特 徴
①日本では夏鳥として東南アジアから飛来、北海道、本州、四国で繁殖する。
②雌の成鳥には背中側が全体に赤褐色の「赤色型」も存在する。
③托卵性がある。
生息地
山地の森林
採 餌
昆虫類。特に毛虫を好む。
ツツドリ

筒を叩いたような鳴き声のツツドリ
写真提供:(財)日本野鳥の会 関根 常貴 様


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