黄色と黒色のコントラストが鮮やかな「キビタキ」は主に林に生息するヒタキ類ですが、 「ノビタキ(野鶲)」はその名の通り野原や平野部などの開けた土地に造巣、繁殖する野鳥です。
約13㎝とスズメよりも小さな体ですが、ヒタキ類の特徴である餌のフライングキャッチはもちろん得意。 木の枝などに止まり、餌となる昆虫を見るやサッと飛び立ち、幅広いくちばしを使って見事に捕獲します。 野原が大好きな鳥なので夏の草原では出会いやすいノビタキですが、繁殖期を過ごした後も、 渡りの途中の水田や河川敷で比較的容易に姿を見ることができます。
また、ノビタキの雄は夏と秋で羽の色が変わります。夏羽は頭部や背中、尾羽等が黒く、胸部が橙色、 腹部は白色ですが、冬になると全体的に茶色がかった色に変化します。 一方、雌は夏冬での大きな変化はなく元々茶色なので、冬に雌雄を見分けるのは難しいかもしれません。
俳句の世界では、ノビタキは夏の季語になっています。
茨の芽野鶲きたりかくれける
水原秋桜子
ノビタキの特性
夏羽は鮮やかなコントラスト(雄)
写真提供:日本野鳥の会 岩崎和男様