薄暗い森の中、日の光を浴びて鮮やかな青みを帯びた瑠璃色に輝く「ルリビタキ」。同じく美しい鳥の代表であるオオルリ、コルリとともに「瑠璃三鳥」に数えられます。ルリビタキはアジア北部とヒマラヤ山脈に分布し、国内では春から夏にかけて北海道や本州、四国の山地で繁殖し、冬期は低地に移動。市街地でも見られます。
ルリビタキは群れを作らず単独で生活しますが、繁殖期には番(つがい)で縄張りを形成します。地上に枯葉や苔などでお椀型の巣を作り、1回に3~6個の卵を産みます。雛は孵化してから約15日で巣立ちますが、美しいブルーに変わるのは長生きしたオスだけで、生後2~3年の年月がかかります。
ノーベル文学賞を受賞したベルギーの劇作家メーテルリンク(1862~1949)作の童話劇『青い鳥』では、チルチルとミチルの兄妹が夢の中で「幸せの青い鳥」を探しに行きます。この青い鳥のモデルは「ハト」と考えられていますが、ルリビタキも「幸せを呼ぶ青い鳥」としてバードウォッチャーの間で人気があります。
ルリビタキの特性
ルリビタキ(メス)
ルリビタキ(オス)
写真提供:共に(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様