日本で最も身近な「カラス」は、「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種。ともに留鳥で全国各地に分布しています。
「ハシブトガラス」は森林のほか市街地などの都市部にも生息します。肉食傾向が強く、人間が出す生ゴミを食べ散らかすことが社会問題になっていますが、近年は数の増加とともに、夜間に活動するものまで出てきています。一方、「ハシボソガラス」は田んぼや畑が多い農村部を中心に生息し、穀類や豆類、昆虫などを食べます。
カラスは吉兆を示す鳥として古くより敬われていました。初代天皇の神武天皇が東征する際、三本足のカラス「八咫烏(やたがらす)」が道案内したという神話も残されています。日本サッカー協会のシンボルはこの三本足の八咫烏なのです。
また、カラスは鳥類のなかで最も知能が発達しており、枝を使って幼虫を掘り出したり、自動車に木の実を轢かせて割るなどの工夫ができることがわかっています。さらに視覚も優れており、人間の顔を見分けて記憶したり、動物や植物の種類を区別してて認識できるとも言われています。
カラスの特性
ハシボソガラス
ハシブトガラス
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様