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野鳥の里「春夏秋冬」

第31話 驚異の飛行能力を誇る「オオジシギ」

数千キロという長距離を、数日間休まずに飛ぶことができる渡り鳥「シギ(鴫)」。日本では50種以上のシギが観察できますが、その多くは、渡りの途中である春と秋に「旅鳥」として訪れます。


越冬の地オーストラリアから9千キロ以上をはるばる移動してくる「オオジシギ」は、4月頃に日本へ渡来するとそのまま国内で繁殖します。しかし近年、生息環境の悪化により絶滅が危惧されており、「日豪渡り鳥協定」で保護の対象となっています。


最も大きい「ジシギ(地鴫)」ということから名付けられた「オオジシギ」は、別名「雷シギ」とも呼ばれ、急降下しながら尾羽を振るわせて「ザザザッ」という大きな音を出す「ディスプレイ・フライト」という飛び方をします。これは、なわばり宣言や威嚇のほかに、繁殖期にはメスへの「求愛」の意味があります。オスが集まってメスを引きつけるために行われ、メスはこれを見て気に入ったオスを見つけるのです。


やがて、地上に営巣して子育てをしますが、オオジシギはチドリと同様に「擬傷」を行います。外敵がヒナに近づくと、自ら傷ついたふりをしてオトリとなり、外敵の眼をそらすのです。


ヒナが育った10月、スタミナを十分蓄えたオオシギの長旅がスタートします。



オオジシギの特性

分 類
チドリ目シギ科
全 長
約30㎝
特 徴
①体色はクリーム色に褐色の斑模様。クチバシは長い。
②「ディスプレイ・フライト」及び「擬傷」を行うのが特徴。
③「ビャッビャー、ビャッビャー」「ズビャー、ズビャー」と鳴く。
生息地
草原や高原などの開けた場所
採 餌
昆虫類、ミミズ、甲殻類、草の種子や根など
オオジシギ

国内では主に北海道~本州中部に生息
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様


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