街中でも見かけることが多い鳥「ホオジロ(頬白)」。日本、朝鮮半島、中国など東アジアに広く分布し、文字どおり頬が白いことからこの名がつきました。スズメよりもひとまわり大きく、街路樹の枝や電線など、比較的見つけやすい場所によくとまっています。
ホオジロは、かつてカッコウに托卵されることが多い鳥でした。カッコウがホオジロの巣に卵を産みつけると、仮親はカッコウの卵とは気づかず、自分の卵といっしょに温めます。カッコウのヒナは短期間で孵化するため、ヒナが孵るとホオジロの卵を全て巣から落とし、自分だけを育ててもらうのです。仮親は、自分よりも大きく育ったカッコウのヒナにエサを与え続けてきました。ところが最近の調査で、数十年という年月をかけてホオジロの識別能力が高まり、カッコウの卵を見分けられるようになってきたらしいのです。その結果、カッコウはホオジロへの托卵を諦め、オオヨシキリなどのほかオナガの巣へも托卵することが増えてきたとのことです。
春の訪れを告げるホオジロのさえずりは、「一筆啓上仕り候」、「源平ツツジ白ツツジ」、「札幌ラーメン味噌ラーメン」など様々に聞きなしされていますが、皆様にはどのように聞こえますか 。
ホオジロの特性
オスは白黒のマスクを被ったような顔が特徴
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様