潜水が得意なことで有名な水鳥「カイツブリ」。小魚や水生昆虫、エビなどを好み、獲物を見つけると、足指についているヒレ状の弁を上手に使って潜水開始。しばらくすると長いくちばしに餌をくわえ、まったく違うところからひょっこり現れます。潜水時間は20秒を越えることもあります。尾部にある脂腺からは脂肪分などを含む分泌物が出され、これを全身の羽毛に塗ることで防水性や浮力を維持しています。
カイツブリは、全国の湖や池、沼などの淡水域に生息しますが、北日本のものは冬期には暖地へ移動します。全長約25㎝で、目は黄白色で小さく黒い瞳を持ち、無表情ともいえる顔つきが特徴。「キキキキキッ」と甲高い声を響かせてさえずります。
また、翼が短く飛ぶことが不得意な上、脚が体の後部にあり、陸上ではバランスが保てず歩けないため、水上で生活します。春から夏にかけては、アシなどで水上に浮き巣を作り繁殖します。ヒナは生まれてから1~2日で泳げるようになりますが、小さいうちは親鳥の背中に乗っている愛らしい姿がよく見られます。
カイツブリ類は、約7000万年前から湖や沼などで生息してきた歴史をもつ
カイツブリの親子
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様