「カッコー!カッコー!」の鳴き声とともに、日本は夏を迎えます。「カッコウ」は、ユーラシア大陸やアフリカに生息し、日本には5月頃に夏鳥として飛来します。オスの鳴き声がそのまま名前の由来となっており、メスは「ピッ、ピッ、ピッ」と鳴きます。
カッコウは7月末頃までが繁殖期となりますが、自分では子育てをせず、他の鳥の巣に卵を産みつけて育てさせる「托卵」という習性があります。托卵される仮親としては、オオヨシキリ、モズ、オナガ、ホオジロなど、卵の色やヒナの餌がほぼ同じ鳥が選ばれます。また、日本ではカッコウの他にホトトギス、ジュウイチ、ツツドリ托卵を行いますが、全てカッコウ科の鳥です。
仮親は、カッコウの卵とは気づかず自分の卵といっしょに温め続けますが、カッコウのヒナは短期間で孵化するため他の卵より先に生まれることが多く、生まれたヒナは、他の卵を自分の背中に乗せて全て巣から落としてしまいます。こうして仮親が運んでくるエサを独り占めし、自分だけを育ててもらうのです。カッコウのヒナは成長すると仮親より大きくなりますが、仮親は献身的にエサを与え続けます。
カッコウがなぜ托卵をするのかはまだはっきりわかっておりませんが、体温を保つ能力が低いことが一つの理由と考えられています。
カッコウの特性
▲カッコウ オスが先に渡来し縄張りを形成する
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様