ホオジロガモは漢字では「頬白鴨」と書き、その名の通り頬に白い斑があるのが特徴の海ガモです。ユーラシアと北米大陸の亜寒帯で繁殖し、日本には冬鳥として北海道から九州以北に渡来します。
雌雄で姿が異なり、名前の由来となった頬の白斑は雄にしかありません。雄は頭部が黒に近い緑色で胸から腹部は白くコントラストがはっきりしていますが、雌は雄より一回り小さく、頭部が褐色で全体的に地味な色合いです。英語名はCommon Goldeneyeですが、雌雄ともに虹彩が鮮やかな黄色であることが、その由来かもしれません。
恋の季節が訪れると、ホオジロガモの雄は一風変わったディスプレイをします。「ギッギー」と濁った声で鳴きながら、首を大きく後ろへ反らせて雌の気を引くのです。その姿はフィギュアスケーターの荒川静香さんがトリノオリンピックで披露した得意技「レイバックイナバウアー」にちょっと似ています。
ホオジロガモは国内では主に北海道や本州北部で越冬しますが、羽村の堰周辺でも十一月から四月にかけてその姿が確認されています。
ホオジロガモの特性
首を反らせて求愛のダンス(雄)
写真提供:(公財)日本野鳥の会 松浦 洋二 様