鮮やかな黄色い嘴に堂々たる体躯。オオワシの風貌は、まさに鳥の王者と呼ばれるに相応しい貫禄です。
雌雄同色ですが雌の方が雄よりも一回り大きく、雌の体長は1m、翼を広げると2m50㎝にもなります。
夏季にロシア東部で繁殖したオオワシは、冬には北海道や本州北部に越冬のために飛来します。猛禽類である彼らの食糧は魚類や鳥類、動物の死骸などで、飛行している状態からでもその鋭い爪を使って獲物を得ることが出来ます。また猛禽類らしく、時には他の鳥類から獲物を奪うこともあるようです。
オオワシはその身体が非常に大きいので、長時間羽ばたくことが苦手です。その為上昇気流を利用し、大きな翼をハングライダーにように広げて鮮やかに飛んで行きます。
生息数の減少から日本では1970年に天然記念物に指定され、国内希少野生動植物種として保護されていますが、昔はその尾羽が弓矢の矢羽根として用いられていました。 通常、鳥の尾羽は12枚なのですが、オオワシは14枚あります。真っ白で丈夫なその尾羽は最高級の矢羽根として珍重され、かつてはアイヌの民の貴重な貿易品であったようです。有名な戦国武将たちも戦場で使ったのかもしれませんね。
オオワシの特性
鋭い瞳で彼方を見つめるオオワシ
写真提供:日本野鳥の会 関根常貴 様