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野鳥の里「春夏秋冬」

第64話 ジュリーンと鳴くから「オオジュリン」

オオジュリン(大寿林)は北海道と東北の一部で繁殖し、関東へは越冬のために渡来します。


冬場は雌雄ともに灰褐色の地味な姿となり、ホオジロと似ているため見分けが難しいのですが、夏場になると雄は頭部が黒く変化し、喉との間の白い頬線がくっきりと際立つようになります。この羽の色の変化は、羽そのものが生え変わる「換羽」と呼ばれる現象ではなく、冬羽の赤褐色の先端部分が摩耗し、内側の黒い部分が現れてくることによるものです。


生息地は平地の葦原、湿原などで、葦の茎から茎へ軽やかに移動します。オオジュリンは葦の茎に縦に止まることができ、嘴で器用に茎を割って中にいる昆虫を食べます。主に蛾の幼虫やカイガラムシが餌となります。

繁殖期の雄は、ゆったりとしたテンポで「ジュッチー」とさえずりますが、地鳴きと言われる繁殖期以外の鳴き声は「ジュリーン」と聞こえ、これが名前の由来になっているそうです。


冬羽のオオジュリンは、身体の色が葦と同化していて見つけ難いかもしれませんが、「ジュリーン」という可愛い声を手掛かりに探してみてはいかがでしょうか。



オオジュリンの特性

分 類
スズメ目・ホオジロ科
全 長
約16㎝
特 徴
①北海道と東北の一部で繁殖し本州以南に冬鳥として渡来。
②夏場は雄のみ頭部が黒く変化する。
③葦の茎に縦に止まり、嘴で茎を割って中にいる昆虫を捕食する。
生息地
平地の葦原、湿原、草原など
採 餌
昆虫類、種子など
オオジュリン

葦を上下に移動しながら餌を探す
写真提供:日本野鳥の会 関根常貴 様


さえずりを聞いてみる