オオジュリン(大寿林)は北海道と東北の一部で繁殖し、関東へは越冬のために渡来します。
冬場は雌雄ともに灰褐色の地味な姿となり、ホオジロと似ているため見分けが難しいのですが、夏場になると雄は頭部が黒く変化し、喉との間の白い頬線がくっきりと際立つようになります。この羽の色の変化は、羽そのものが生え変わる「換羽」と呼ばれる現象ではなく、冬羽の赤褐色の先端部分が摩耗し、内側の黒い部分が現れてくることによるものです。
生息地は平地の葦原、湿原などで、葦の茎から茎へ軽やかに移動します。オオジュリンは葦の茎に縦に止まることができ、嘴で器用に茎を割って中にいる昆虫を食べます。主に蛾の幼虫やカイガラムシが餌となります。
繁殖期の雄は、ゆったりとしたテンポで「ジュッチー」とさえずりますが、地鳴きと言われる繁殖期以外の鳴き声は「ジュリーン」と聞こえ、これが名前の由来になっているそうです。
冬羽のオオジュリンは、身体の色が葦と同化していて見つけ難いかもしれませんが、「ジュリーン」という可愛い声を手掛かりに探してみてはいかがでしょうか。
オオジュリンの特性
葦を上下に移動しながら餌を探す
写真提供:日本野鳥の会 関根常貴 様