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野鳥の里「春夏秋冬」

第58話 茂みの中でひっそり息づく「クイナ」

とても綺麗なのに恥ずかしがり屋。人間にもそんな人がいますが、クイナ(水鶏)もその内気な性格ゆえ、なかなか姿を見せない美しい鳥です。


国内では北海道や東北地方で繁殖し、冬季は南下して関東にもやってきます。夜行性の傾向があり、警戒心が強いのが特徴で、危険を察知すると、飛ぶことがあまり得意ではないせいか小走りで素早く茂みの中に隠れてしまいます。一九八一年に沖縄で新種の「ヤンバルクイナ」が発見され話題になりましたが、それもクイナ科特有の内気な性質が原因で長年研究者に知られることがなかったためといわれています。


雌雄同色で背中から尾羽までは茶褐色で黒い縦紋があり、顔から胸にかけては青灰色。ひときわ目を惹く赤い嘴は長くて艶があり、クイナ科が「ツル目」に属していることを証明しているかのようです。そしてこの嘴の赤色は、夏の繁殖期になるとさらに鮮やかに輝きます。単独または番(つがい)で生活し、群れをつくることはほとんどありません。繁殖期には雌雄で「グィッグィッ」と濁った声で鳴き合います。水辺の草むらを好みますが、水中に潜ることもあります。水面を泳ぐときには頭部を前後に動かします。


もしもクイナに出会えたら、脅かさないようにそっと見守ってあげてください。尾羽をピンと立てて挨拶をしてくれるかもしれません。



クイナの特性

分 類
ツル目・クイナ科
全 長
約29㎝
特 徴
①警戒心が強く、夜行性の傾向がある。
②嘴の赤色は、夏の繁殖期には更に鮮やかになる。
③「グィッグィッ」と濁った声で鳴く。
生息地
平地、低山の淡水域の水辺、藪など
採 餌
昆虫、小魚、植物の実など雑食
クイナ

多摩川流域にも生息している
写真提供:日本野鳥の会 岩崎和男様


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