白くコロンとした体に、全長の約半分を占める長い尾羽。小さく可愛らしいこの鳥は、その長い尾をひしゃくの柄になぞらえて「エナガ(柄長)」と名付けられました。日本で一番小さい鳥は「キクイダタキ」ですが、その次に小さいといわれているのがこの「エナガ」で、体重は僅か8グラム程です。
エナガは雌雄同色で、外見上ほとんど見分けることはできません。仲間同士仲の良い鳥で、非繁殖期には共同のねぐらを作り、小さな体を寄せ合って集団で眠る習性があります。また、他の野鳥に比べ繁殖時期が早く、里山では2月には群れを解消してつがいでの生活に入ります。まだ寒い時期なため、苔を集めて作った球形の巣の外側をクモの糸などで覆い、内部には羽毛を敷き詰めて保温することで、卵や雛を寒さから守ります。
そして、エナガの友情の厚さをよく現わしているのが子育てです。親鳥のみならず仲間が餌を運んだり卵を抱いたりして子育てに協力する「ヘルパー」と呼ばれる行為を見せるのです。また時には、同じ巣に卵を産み、協力して育てることもあるそうです。
大切な雛を守るためにみんなで力を合わせるエナガ。人間にも学ぶべきところがありますね。
エナガ
ひしゃくの形にそっくり?エナガ
写真提供:日本野鳥の会 岩崎和男 様