江戸時代の俳人、小林一茶の句に「むずかしやどれが四十雀五十雀」というものがあります。確かに大きさは同じ位ではありますが、福生市の鳥として制定されているお馴染みの四十雀は、黒と白のコントラストが大変鮮やか。しかし五十雀は青みのある灰色をしていますので、実際には誰でも容易に見分けることが出来ます。
さらに五十雀は他の鳥には絶対に真似の出来ない、日本の野鳥で唯一といえる大きな特徴を持っています。足の力が非常に強い為、樹木の幹に垂直に止まり、頭部を下にして幹を回りながら素早く動き回ることができるのです。
まるで軽業師のように幹を回るその行動から、別名「木めぐり」とも呼ばれています。
そうした特徴のある動きで、樹皮の間にいるクモや昆虫等の餌を探し、それらを幹や枝の割れ目に貯食する知恵まで持っています。 また五十雀は造巣の方法もとても個性的です。通常、木の割れ目やキツツキの古巣を利用するのですが、その際、巣穴の入り口に泥を運び嘴を使って直径を狭め、自分だけが入れる大きさにリフォームしてしまうのです。
なんとも器用で闊達なこの五十雀の姿は、一年を通じて日本中の平地や山地で見る事ができます。
ゴジュウカラの特性
頭部を下にして幹を駆け降りるゴジュウカラ
写真提供:日本野鳥の会 岩崎和男 様