国内で見られる野鳥の中では最大級にして最重量級の「オオハクチョウ(大白鳥)」。オホーツク海の北方、針葉樹林が広がるユーラシア大陸のタイガ地帯で繁殖し、冬期は食料を求め、およそ3千㎞の道のりを約2週間かけて渡来します。毎年10月以降に約3万羽が北海道から東北、北陸地方にかけて渡来しますが、近年、多摩川流域にも数羽飛来したことが確認され、ニュースになりました。
国内では、オオハクチョウより一回り小振りなコハクチョウ(小白鳥)も見られます。身軽なコハクチョウは、オオハクチョウより約1千㎞北方の北極圏ツンドラ地帯で繁殖する一方、冬にはより南方まで渡って来るため、移動距離は4千㎞以上になります。
いずれにしても「ハクチョウ」は夫婦の絆が大変強く、つがいになると一生同じパートナーと生活を共にします。冬の終わりとともに一斉に群れが飛び立っても、傷ついて飛べなくなったパートナーに付き添って一緒に居残ったという話も珍しくありません。
童話『みにくいアヒルの子』の主人公でもあるハクチョウ。子供の頃は全身灰色をしていますが、大人になるに連れて誰もがあこがれる真っ白な美しい水鳥へと生まれ変わります。
オオハクチョウの特性
伝説や神話、音楽にも多数登場するオオハクチョウ
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様