日本のほぼ全国に生息する留鳥イカル(斑鳩)。5~7月の繁殖期前には、4~8羽程度の小群の中から番(つがい)を作ります。イカルの夫婦仲の良さは有名で、餌を探しに行く時などいつも行動を共にします。通常は樹上で生活しますが、非繁殖期には数羽から数十羽の群れを作り、ケヤキ、カエデ、サクラなどの地上に落ちた木の実や種子を黄色い頑丈な嘴(くちばし)ではさみ割ります。
607年(推古15年)、推古天皇と聖徳太子は用明天皇の病を治すため、奈良の斑鳩(いかるが)の地に薬師像を祀る法隆寺(斑鳩寺)を建立しました。この斑鳩(いかるが)という地名は、当時この一帯にイカルの群れが集い、イカルの郷であったことから付けられたと伝えられています。
現在、世界最古の木造建築として世界文化遺産に指定されている法隆寺ですが、聖徳太子が建立した頃より斑鳩は飛鳥とならんで文化の中心地、そして日本仏教発祥の地として栄えたのです。
イカルの特性
マスクを被ったような黒い顔が特徴的
集団で木の実をついばむ(国営昭和記念公園にて)
写真提供:共に(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様