翼にある鮮やかな黄色い模様が特徴的な「カワラヒワ」。「河原に住むヒワ(鶸)」という意味で、日本では北海道から九州まで広く分布する留鳥です。低地の山林や河原のほか、市街地の街路樹などにも巣をつくるため一年を通じて身近に観察できますが、小柄で体形が似ているスズメと見誤られることも多い鳥です。
カワラヒワは、繁殖期が近づくと独特な求愛行動をとります。まず、多数のオスとメスが集合し、集団でお見合いを始めるのですが、メスに求愛できるのは強いオスのみ。高い枯れ木など目立つ場所でオス同士が戦い、求愛の順番を決定していくのです。勝ったオスから順番にメスを連れ出して番が成立。残されたオスは再度求愛の順番を争うのです。
無事に番になると、ルーズコロニーという集団繁殖場所の中に官巣し、巣のまわり直径30m程の狭い範囲を縄張りとして繁殖をします。夫婦は仲むつまじく、卵を温めているメスにオスが食べ物を運んできて、口移しで与える求愛給餌なども観察できます。
その後、子育てを終えた秋から翌春までは、数十羽から数百羽の大きな群れで生活します。
カワラヒワの特性
地上を歩きながら、草の種子などをついばむ
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様