日本に渡ってくる冬鳥の代表格である「カシラダカ」。夏場はシベリアから欧州にかけての高緯度地域で繁殖し、毎年10月頃から日本や朝鮮半島、中国、東南アジアなどで越冬します。
背中が地味な茶褐色であるため、目に留まってもスズメやホオジロと混同されてしまいがちですが、冬場は本州以南の河原や低い雑木林、畑、市街地などに広く生息し、西多摩地域でもよく見られます。体長はスズメとほぼ同じで約15㎝。興奮すると頭頂部にある「冠羽」が逆立つことが大きな特徴で、「カシラダカ(頭高)」の名前もここから付けられました。スズメやホオジロにはこうした冠羽はなく、またカシラダカは腹部が白いことから見分けることができます。
カシラダカは、通常数羽から数百羽の群れをなして行動します。草木の種子や昆虫を主食とし、田畑などに大群で降り立つと、一斉に各自前進しながら餌をついばんでいく姿がよく見られますが、驚くとそれぞれバラバラな方向へ飛び立つことから、群れとしてのまとまりは比較的弱いようです。
春先にはヒバリのさえずりに似たカシラダカのコーラスが、林の中などから盛んに聴こえてきます。そして5月頃、カシラダカは北方の繁殖地を目指し飛び立ちます。
カシラダカの特性
地面をチョコチョコ歩いて草の実をついばむ
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様