日本に秋を告げる鳥「モズ(百舌)」。この季節になると「キチキチ!キィーキィー!」という鳴き声があちらこちらで聞かれます。モズは、平地や低山の林や川原のほか、住宅地でも繁殖し、高鳴きによって自分の縄張りを主張します。また、ヒバリやウグイスなど他の鳥の鳴き声を真似るのが得意で、レパートリーが広いことから「百舌」と書かれます。
モズは、全長約20㎝とスズメよりやや大きく、ワシのようなカギ型に曲がった鋭いクチバシと頑丈な爪を持ちます。見かけによらず気性が荒くタカのような強い肉食傾向があるため、「モズタカ」、「スズメタカ」などの別称があります。カエルやトカゲ、昆虫類など主食とし、時にはスズメやメジロ、シジュウカラなどの小鳥、ネズミやモグラのような小さなホ乳類を襲うこともあります。
また、モズは、捕らえた獲物を木の枝先や有刺鉄線なに突き刺しておく「はやにえ(早贄)」と呼ばれる習性を持ちます。秋に多く見られることから、冬期の食料確保のためと考えられていますが、「はやにえ」の餌を食べずに放置することもあるため、何のために行っているのかよく分かっていません。
モズは、日本国内で越冬する「留鳥」で、繁殖期は3月~7月頃と他の野鳥より早め。現在、「大阪府の鳥」とされ、120円切手のモデルにもなっていますのでご覧下さい。
声高らかに秋を告げる「モズ」
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様