金と黒と白。その3色を身にまとった海鴨は、キンクロハジロ(金黒羽白)という実に解りやすい名前を付けられました。金は印象的に輝く虹彩の色、黒は頭部から胸と背中にかけての色。そして腹部と翼を広げた時に見える帯状の模様の色が、白なのです。とは言ってもこの3色が見られるのは雄のみで、雌は全身が褐色です。雌雄ともに後頭部には冠羽がありますが、雄の冠羽は雌のそれよりもずっと長く目立ちます。英名のTufted duck(房をつけられた鴨)は、この冠羽を指していると思われます。
キンクロハジロはユーラシア大陸の亜寒帯で繁殖し、日本には冬鳥として飛来します。北海道の一部では少数が繁殖することもあるようです。 海鴨の仲間である彼らは潜水が得意で、餌を採る時は水中に潜って小魚や貝類、甲殻類、水生昆虫類、さらには水草等の植物も食べます。公園などでは人間に餌付けされることもありますので、かなりの雑食性と言えそうです。
全長は雄が44㎝、雌が38㎝ほどでずんぐりとした形をしており、水面を長く助走してからでないと飛び立つことができません。その為、助走を付けられる広さのある水辺を好んで棲んでいます。
河川や公園などで比較的観察しやすい鳥ですので、金・黒・白の3色を目印に、是非探してみてください。
キンクロハジロの特性
金色に輝く虹彩(雄)
写真提供:(公財)日本野鳥の会 松浦 洋二 様