アマサギは夏鳥として本州以南に渡来するサギで、頭から首にかけての美しい橙色が目印です。「亜麻色の髪の乙女」という有名な曲がありますが、「亜麻色」という言葉は比較的新しい日本語ですので、アマサギの名は「あめ色のサギ」が転じたものではないかと言われています。
アマサギがその羽を美しく変えるのは夏。冬羽は真っ白なのでコサギなどの他のシラサギと見分けるのが難しいのですが、夏になると頭から首や胸にかけて橙色に染まって行き、ひときわ目立つようになります。羽だけでなく目元も嘴も赤味を帯びて、恋の季節を迎えるのです。
彼らは他のサギ類と共にコロニーを形成し、皿型の巣を作って繁殖します。水辺を主な棲家とする他のサギたちよりも、やや乾いた土地を好む傾向があるようです。
英語名ではCattle egretと言いますが、Cattleというのは「牛」という意味です。アマサギは牛や馬などの大型の動物にくっついて歩き、動物の体についた昆虫や、道端から飛び出して来る蛙などを捕まえて食べる習性があるのです。後からついて歩くだけではなく、時には牛の背中に乗ってしまうこともあるのだとか。なんともユーモラスな光景ですが、農耕に動物を使うことが減った現代では、牛の代わりに耕運機の後を追っている姿が見られるそうです。それもまた微笑ましいですね。
アマサギの特性
夏羽のアマサギ
写真提供:(公財)日本野鳥の会 松浦 洋二 様