頬が白い「ホオジロ」に対し、頬がほんのりと赤い「ホオアカ」。ともに日本では留鳥で、スズメより一回り大きい体格をしています。ホオジロの生息地域は、日本、朝鮮半島、中国など東アジアが中心ですが、ホオアカはさらに東南アジアまで含むアジア全域に分布しています。
ホオジロは、高い木の梢や電線など比較的見つけやすい場所によくとまっていますが、ホオアカは背の低い木が生えている草原や農耕地などを好みます。国内の生息数がホオジロより少なく、ホオアカの繁殖地である河原や草地が近年の開発によって減少しているためか、出会える機会もホオジロほど多くはありません。また、ホオアカもホオジロと同様カッコウに托卵されることが多く、仮親として自分よりも大きく育ったカッコウに餌を与える姿が観察されます。
ホオジロは美声の持ち主で、目立つ場所でさえずることから「さえずりが見える鳥」と言われます。ホオアカも声は負けてはいませんが、草原などの茂みの中でさえずることが多く「さえずりが見えない鳥」と言えるでしょう。
歌姫としての座はホオジロにゆずるとしても、紅を差したような赤い頬はなかなかチャーミングではないでしょうか。
ホオアカの特性
ほんのりと赤い頬が特徴
写真提供:(財)日本野鳥の会 岩崎 和男 様