1.開発の概要
武陽ガスでは、自社要員で半年ごとに調査・準備と調整作業を交互に行う、移動式ガス発生設備を
利用した熱量変更方式を管理するため、新規の熱変管理システムを開発し、平成9年10月より実稼
動しました。熱量変更を「調査器具情報に基く調整方法の決定と実行」と定義し、特に、器具調査の
精度向上と省力化のため、(財)天然ガス導入促進センターの機器調整部品対応データと需要家データ
を入力したモバイルコンピュータを利用。調査現場で器具ごとに調整データを作成し需要家データと
リンクさせる調査システム及び、そのデータを利用した部品管理・調整作業管理システムを開発しま
した。その結果、調査現場での見間違い等による再調査はなくなり、導入前の3倍強の調整件数でも
熱量変更準備の事務負荷はむしろ軽減。女子事務員は増員なしの1名で対応しています。要するに、
熱量変更作業の需要家、部品、作業管理の省力化と需要家ごとの部品・作業個別管理を実現し、熱量
変更作業の安全性を向上させ自社要員による小人数の熱量変更作業を可能としました。
2.主なる仕様及び略図
3.特 徴
モバイルコンピュータを利用し、(財)天然ガス導入促進センターの機器調整部品対応データを検索
して調整部品コードや付帯工事の有無、設置環境等の調整に必要なデータの決定・入力ができる調査
システムを特徴としています。調査精度の向上はもちろんのこと、調査現場で調整予定器具に1対1
で対応するデータを作成でき、需要家データとリンクさせてホストコンピュータに取り込めるため、
帰社後の転記・入力作業も無くなり省力化がはかれました。また、それ以降の部品管理、調整作業管
理でも、全器具に1対1で対応するデータを個別に把握しているため、処理からもれないことも利点
です。部品管理段階では、調査時に器具ごとのデータを需要家とリンクさせて作成してあるため、発
注書が自動作成でき、入荷管理も需要家ごと、器具ごと、メーカーごと等に容易に個別把握ができ、
仕分けも一行程化(入荷検品後、直接需要家毎に仕分けする)を実現。作業管理段階では、当日調整
作業予定の自動作成が可能になりました。実績集計段階では、日々の作業結果入力をしておけば器種
ごと、メーカーごと等の条件で自動集計が可能となりました。その結果、導入前の3〜4倍の需要家
件数に対する準備・管理業務に、増員無しで対応が可能となりました。